場所はいつも旅先だった

場所はいつも旅先だった
30代の頃、仕事でロサンゼルスに何度か行った事がある。
空港近くでレンタカーを借り、折りたたんであった大きな地図を頼りに、最初のスリフトショップを目指して、ただただ走った。慣れない左ハンドル、もたつく右車線、そして乾いた風が日本ではないことを教えてくれた。買付けの旅の始まりは、上がりっぱなしのテンションとプレッシャーでいつもぎこちない。

あれから何年も旅をしていないから、この本を読んで旅の気分に浸っているが、気分だけ旅しても虚しくなるばかりで限界に近い。今すぐ何処かへ発ちたいくらいだ。
と、そのくらい、この本は物事の捉え方や言葉による描写が自分好み。何度読んだかわからない。店にも切らす事なく並んでいる気がする。

旅は得意ではなく、いつもノープランで気ままな旅が好きだった。
また、どこかへ行こう。なんとも形容しがたい興奮と緊張を味わいに。